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6月, 2008の投稿を表示しています

終戦直後、心の日伯交流

昨年、安井 健一『「正義の国」の日本人 なぜアメリカの日系人は日本が“嫌い”なのか?』(→ amazon )を読んだ。マイク・ホンダ( マイク・ホンダ - Wikipedia )による「慰安婦をめぐる対日謝罪要求決議案」が、日系人から提起されたことに素朴な興味を持ったからだった。移民者が、「本国」と表向き関係が切れても、在住国と「本国」との政治的関係の影響を受けずにはおれないということが丹念にレポートされていたのをぼんやりと記憶している。 で、という前置きでもないが、僕の今年で101才になる日本の祖母は、いわゆる「旧満州」からの引き上げ組の母子家庭で、戦後ずいぶん苦労をしたらしい。その際、祖母が援助を受けたララ物資( ララ物資 - Wikipedia )は南北アメリカ 大陸 在米日系人からのものだったということを、さっき初めて知った。祖母からはララ物資の話をそれこそ耳タコで聞かされていたのだが、僕にとって身近な人の繰り返される話は、身体に刷り込まれるけども意味や由来を問うことがどうも少なくて、このザマ、ということでもある。 その祖母が、 時事ドットコム:ブラジル移住100周年 として、「終戦直後、心の日伯交流」という記事に写真付きで取り上げられている。戦後ブラジル日系移民は、ブラジルが連合国であったことからして、相当苦しい立ち位置にあったことが推測されるが、そのような状況下での援助だとしたらひとかたならぬ苦労があったのだと思う。まあ、あまり知らない領域の話なので、紹介にとどめておこう。

行間を埋め尽くすもの

ベルトコンベアに乗った「仕事」を左から右へ手際よくこなさなければならず、まあ仕事って質という側面とフローという側面と両方あるわけで、考えずにこなして流すという作業もそれはそれとして通奏低音みたいにしてあり続けるわけで。しかし振り返ってフローの側面を見続けてきた仕事の質を問うと怖いことがあったりする。先月末はそんなことの繰り返しで肉体的にも精神的にも疲弊した。とか言う割に、狭い行間を埋め尽くすようにマンガだの本だのを読んだり音楽を聴いたりしているのは、まだまだやれる、いややりなさいということなんでしょうね。何よりこのところさぼっているのは、明らかに子供や家族との時間のやりくり。これは近いうちにどうにかしないとマジいかんなと思う。実は昨日は上の子供と二人で山登りをしたんだけど、これはまた別に書きます。 先月の僕の行間を埋め尽くしたマンガの一部を。 よしながふみ『フラワー・オブ・ライフ』(→ amazon )を全巻。よしながふみ『あのひととここだけのおしゃべり』(→ amazon )。よしながふみ『それを言ったらおしまいよ』(→ amazon )。やー、自分暇なんじゃないかというと、ムキになってそんなことはない!と声を大にして言いたい。むしろよしながふみのおかげでこの5月を乗り切ることができたのだと思いたい。特に、対談集『それを言ったらおしまいよ』の羽海野チカとの対談で、仕事に対する考え方が開陳されるところは、共感と言ったら土足で踏み込む感じがするかも知れないけど、ともあれ力づけられる感じがして、よしながふみ読んでて良かった~って思ったよ。 それとは真逆の方向から僕を力づけた、尾玉なみえ『アイドル地獄変』(→ amazon )。人間にはテッテ的に不謹慎でくだらないものでしか癒せない心の領域があるんだ!ウソ、いままた適当言ったゴメン。僕はねえ、ホントは『役割語』の題材として、この作品に出てくる出毛まいねを使いたかった。こんなに不謹慎なキャラは尾玉マンガ史上いたことがない。しかしこのキャラを使うことは受講者に対してほとんどケンカを売っていることになるんではないかと思って、しっぽ巻いたよ。くるんくるんに巻いた。しかして今はそのことを深く悔いています。だからここに画像を出してこの思いを弔いたいと思います。以上。

冨樫の母校でハンターを語る

講義でどのように語るかということは、自分にとっての旬が大きいなあといつも思う。何を語るかではなくて、それをどう語るかという問題。たとえば近代国語の成立みたいなことの延長に、植民地時代の台湾における日本語教育をテーマにすることがあるんだけど、どうも熱が入らない。どうもある程度自分の中で落ち着きどころを見つけてしまったテーマは、淡々と語ってしまう傾向があるようだ。講義は常にそのときそのときの自分にとってホットなことを扱った方がいい、できれば研究と絡めて、とかつて先輩からアドバイスをもらったことがある。ホントにそうかもと思う。 テーマに対する新しいアプローチを勉強したときや、新しいテーマを扱うときは全然熱の入り方が違う。最近は、ようやく東北方言の音声をきちんと勉強し始めたので、やっぱり楽しく語ることができる。先週はいわゆる「役割語」(創作ものの中で、特定のキャラクターが言葉によって強固なイメージが付されている場合、あるいはその逆の場合、使われている言葉を「役割語」という。 Amazon.co.jp: ヴァーチャル日本語 役割語の謎 (もっと知りたい!日本語): 金水 敏: 本 および Amazon.co.jp: 役割語研究の地平: 金水敏: 本 を参照)をテーマとして、HUNTERxHUNTER(→ amazon )のコムギというキャラクターに現れる東北方言音声を取り扱った。非常勤先の冨樫の母校で冨樫の作品を取り扱う喜び…これってテーマに対する何の新しいアプローチでもないな。

ベルリンの赤い雨

ブロッケンJr.。 5年くらい使っていたメガネが真ん中からパッキョンハでございました。新しいメガネができあがるまでの約10日間、コンタクトで過ごさなければならないのですが、残りのワンデイアキュビューが8セットしかない…。