先週末國學院でフリーの音響分析ソフトpraat(→ Praat: doing phonetics by computer )の講習会があった。初心者向けではあったが中上級者向けの課題も渡されており、自分で発展的学習ができる仕掛けになっていた。音響音声分析は、大学院の時に授業で基本的なことを少し学んだ程度だが、音声学の授業でスペクトログラフやピッチカーブを見せたりするくらいには使えている。ただ今年は自分の研究の絡みで、一歩間違うと音声調査をするかも知れない可能性があるので、念のため基礎から学んでおこうと思った次第。ローランドのR-09(→ 製品情報 )も用意してある。本で勉強するのも大事だが、話を人から聞くと具体面がよく分かる。不思議だなー。 さて、驚いたのは、会場で元教え子のK君に出会ったこと。某大学の大学院で音声研究をやるのだという。単純に同じ道に入り込んできたことを嬉しく思いつつ、大学の授業はこういうことがあるから(なくてもだけど)ガチで行かないとなとも思う。学生がいつか研究者の道を歩み始めたときに、振り返って自分の授業が同じ研究者の目に厳しく批評されることになる、私たちが自分の師匠の授業のレベルの高さにあとから再び思い至るように、と先輩に言われたことを思い出す。だから、いつでも自分を常に研究の最前線についていける状態にしておかなければならない、と。この職に就く者として当然のことかも知れないけれど、先輩の言葉が肌で分かった瞬間だった。とはいうものの、カリキュラムの方針に沿った各授業目標が設定されているわけで、「研究者になれます」という目標を織り込めるカリキュラムを掲げている大学は限られるだろう。最先端の技で握る寿司は、必ず食べやすさも考慮されているはずだ、といういまいい加減に考えたおじいちゃんのたとえ話を信じてやるしかない。 ちうわけで、今年も厳しい授業やるぞー(支離滅裂に終了)。 〈praatメモ〉 ・ Praat入門:目次
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