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完成版 ニュ~東京音頭

なんなんこれ。脳みそを直接触られているような気持ちよさがあるんですけど、なんなん。 タンブラとかやってるひとが反射的にリブログするような行為があるとしたら、たぶんその感覚に一番近い島だと思います。

莫言『白檀の刑』

莫言『白檀の刑』読了。清朝末期、租界の時代の山東省を戯画的に描いた大衆小説。表題にもなる処刑方法にとどまらず、作中では清朝に伝わるさまざまな血みどろの処刑方法が紹介されるが、処刑人の誇りと内面を描いたところにケレン味がある。そして何より、本作を大衆小説たらしめている、大衆演劇「猫腔」の文句を下敷きにしながら、その文句を作中に交えているところが、いちばんの味わいどころか。実際に見てみたくて、youtubeやbaiduを探してみるも、見当たらず。作者あとがきによれば、莫言自身が少年時代に過ごした高密県で親しんだ猫腔に着想を得て、「白檀の刑」ができあがったとのこと。 余談だが、これ、書籍を購入してから自炊して、一冊まるごとiPadで読んだ。初めての体験。で、読み始める前に色々なアプリを試したが、結局i文庫HDがもっとも読みやすかった。指で頁をたぐる感覚も良いけれど、新しいこの媒体で読むのも悪くない。考えてみれば、猫腔という伝統大衆演劇を小説という新しい入れ物で演じてみせた莫言のこの作品も十分楽しめるものだった(猫腔そのものもぜひ見てみたいが)。iPadによる読書体験もまた莫言の如しであった、と。 ***** (追記1) 訳者あとがきによれば、猫腔は、本当は茂腔と呼ぶらしい。それでもういちどbaiduを検索してみると、それらしいものが出てきた。 (追記2) 作中、気に入った格言「洪水になったら土で埋めろ、兵隊に襲われたら将で防げ」。その時が来たらそのように対処するしかないのだから、慌てることはない、といったニュアンスで使われていたように思う。もうひとつ、「どの職にも状元はおる」。どんな仕事にもトップクラスのやつはいる、といったことば。本当にそう思うよ、ということで。