映画の宣伝をネットで見かけ、梁石日『闇の子供たち (幻冬舎文庫) 』(→amazon)の原作をうっかり購入したら、ついファミレスで4時間もの時間を過ごす羽目に。ノンストップで読了してしまった。前半はタイ北部の幼児売買と、都市部で生じている幼児売春の凄惨なさま、後半は幼児を殺害しての臓器移植を阻止せんとするNGOと新聞記者の活躍(と失敗)が描かれる。梁石日なのでほとんど露悪的な描写にとまどうが、人間の欲望をどう低く見積もっても、現実がこの小説以下ってことはないだろう。
この小説では、遠い外国で起こっている凄惨な出来事が日本の社会や生活と無関係ではないんだということが、いろいろな方法で繰り返し訴えられている。また、同時に「無関係ではない」というありかたにもいくつかが示されている。それがその都度後ろからどつかれている感じで、いやな汗をかいた。物語の結末近くでは、主人公の強力な味方であるはずの正義感あふれる新聞記者が、結局は他者の眼差しから事件を新聞記事にするということにとどまって、現場と共に生きようとするボランティアの主人公と袂を分かつ。こういうの、マイノリティ研究とボランティアの確執みたいな文脈で聞き覚えがあって、さらにいやな汗を。
この小説では、遠い外国で起こっている凄惨な出来事が日本の社会や生活と無関係ではないんだということが、いろいろな方法で繰り返し訴えられている。また、同時に「無関係ではない」というありかたにもいくつかが示されている。それがその都度後ろからどつかれている感じで、いやな汗をかいた。物語の結末近くでは、主人公の強力な味方であるはずの正義感あふれる新聞記者が、結局は他者の眼差しから事件を新聞記事にするということにとどまって、現場と共に生きようとするボランティアの主人公と袂を分かつ。こういうの、マイノリティ研究とボランティアの確執みたいな文脈で聞き覚えがあって、さらにいやな汗を。
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