先週末に引っ越しをした。以前住んでいた、在郷の町から山形県内の県庁所在地、山形市である。以前よりずいぶん便利で、といったあたりをグダグダ書きたい気もするが、段ボールにひたすら本を突っ込みながら感じたことは、「読んでない本がたくさんあるー!」だった。この業界にはいわゆる「積ん読」なしで月間100冊読破を超える猛者もいることはいるが、こちとら読書スピードも読書時間の作り方も、思い切り凡人なのでとにかく読んでいない本がたまりまくっていくのが恥ずかしい限り。今度は自分用に一部屋もらえたので、その僥倖を今週は味わい尽くしている次第。
で、そのうちの一冊。内田樹『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち』(→amazon)を今更ながら読んだ。勉強を嫌悪する子どもの考え方が、市場的に価値あるもの=等価交換できるものでなければ、意味がないとするあたりは(これは内田氏独自の指摘ではないが)仕事上興味深かった。この他、本書の大きなポイントである、誰かと連帯することによるリスクヘッジの必要性、市場原理の前提をなす即時性をどう破り時間性を回復するかという話は、身に浸みまくった。たぶん、僕自身がこの数年かけて内部に感じている変化は、これらのポイントと関係があるのだと思う。
それにしてもこの人の書いていることは、基本的に「昔は良かった」に過ぎない。そのようなオッサン的な蚕主義じゃなくて繭を作らない方の懐古主義は、脊髄反射的にウエッとなりがちだが、こうして筋道立てて説明されると、うん、腑に落ちなくもない。やだなー、こういうオッサンの手から逃れようとあがいても所詮は悟空、私の掌みたいなのって、などと今更言い仰せる35歳であった。
で、そのうちの一冊。内田樹『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち』(→amazon)を今更ながら読んだ。勉強を嫌悪する子どもの考え方が、市場的に価値あるもの=等価交換できるものでなければ、意味がないとするあたりは(これは内田氏独自の指摘ではないが)仕事上興味深かった。この他、本書の大きなポイントである、誰かと連帯することによるリスクヘッジの必要性、市場原理の前提をなす即時性をどう破り時間性を回復するかという話は、身に浸みまくった。たぶん、僕自身がこの数年かけて内部に感じている変化は、これらのポイントと関係があるのだと思う。
それにしてもこの人の書いていることは、基本的に「昔は良かった」に過ぎない。そのようなオッサン的な蚕主義じゃなくて繭を作らない方の懐古主義は、脊髄反射的にウエッとなりがちだが、こうして筋道立てて説明されると、うん、腑に落ちなくもない。やだなー、こういうオッサンの手から逃れようとあがいても所詮は悟空、私の掌みたいなのって、などと今更言い仰せる35歳であった。
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