沖森卓也『日本の漢字 1600年の歴史』(→ amazon )読了。このジャンルをこの密度で、かつ平易な文体でコンパクトに書いたものはあまり他に知らない。300ページくらいです。日本への漢字流入から歴史を踏まえた現代までのパースペクティブと、漢字の機能や漢字制限、いずれ本格的にやってくるかもしれない移民社会に向けた漢字政策まで攫う幅広い構え。前半、木簡を利用した日本語史の新しい成果なども。ホント勉強になりました。 参照されている資料・史料もおびただしい。写真資料がもう少し欲しかったけれど、コンパクトさと裏腹ですね。個人的には参考文献一覧が欲しかった。甘えんなって感じでしょうか(本気で参考文献つけたら10ページくらい行くんじゃないか)。索引を付すのはありがたい。 教科書として使われることも想定されているのでしょう。しかしこの本のスペックを最大限活かせる授業担当者にも、相当のスペックが要求されるだろうな、と思います。僕がもし使うとしたら鳥瞰図として手元に置くのがせいぜいかも。
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