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5月, 2013の投稿を表示しています

ついに乙嫁語りに手を出した

たぶん美味しいんだろうけれど、今食べちゃうと後で「美味しいものが食べたい」と思うときに手を伸ばす物がなくなってしまうから。たぶんそういう理由で読まなかったのだと思う森薫『乙嫁語り』(→ amazon )をとうとう読み始めてしまった。まだ2巻までしか読んでないが、まず間違いなく絵や線が好き。中央アジア&(少なくともここまで)布のテキスタイルとか装飾品がフィーチャーされているところは、五十嵐大介『魔女』の一編を思い出す。一体、マンガで刺繍の綾目を丁寧に書き込もうというのはどういう欲望からやってくるのだろうと思う。そのものずばり刺繍なのかな。何にせよ、絵を細部まで書き込んでいく快楽は、ストーリー作りとは違う快楽なのでしょう。 掲載誌「Fellows!」を手に取ったことはないけれど、wikipedia( ハルタ - Wikipedia )を見ると隔月発行のために画力重視の作家さんたちが集まって、「1コマあたりの線数が多い」連載が立ち並ぶという。入江亜季の『乱と灰色の魔法』も絵がゴージャスだもんね。『ジゼル』もそうか…(表紙しか見ていないけど)。この人達の、ややレトロな印象の太くはっきりとした線も力強く手繰り寄せられる感じがして良い。 マンガでしか表現できない気持ちよさが実験的な手法を志向する作品について指摘されることは多いと思うんだけど、『乙嫁語り』の絵や線の気持ちよさは、ストーリーや造形とは別に明らかにマンガだからこそのもの。これはゆっくり味読したい作品。

アニミズムテロ

ある日、帰宅してトイレに入るとこんな芸術テロ活動が。 息子の小学校の課題だった。最初は便座の蓋に貼ってあったが、移動に。なんだか良い感じ。

漢字古今音資料庫

漢字漢語の声調研究にはありがたいニュース(→via. 古代中国箚記 漢字の古代音・中古音、現代方言の発音を知るには・・・ )。リンク先で紹介されていたのは、漢字の古代から現代までの声調のデータベースで、これは声調研究に携わっている人にはほんとありがたいことこの上ないです。 漢字古今音資料庫 個人的には中古音(主として広韻によって再構される隋唐時代の音)イチオシなんですが、董同龢・高本漢(カールグレン)・王力・周法高・李方桂による推定音がざっと横断的に出てくると。台湾大学中国文学系と中央研究院の共同開発のようですね。中国出版のいろんな書籍をたぐることはもう少ないかもしれない…。 自分がこれまで使っていたのは、書籍を別とすれば例えば 宋本廣韻データ 、いまはなき電子広韻とか電韻200とか呼ばれていたものだったのですが、隔世の感です。なお、宋本広韻データを含む 漢字データベースプロジェクト も素晴らしくて、漢字文献関係の人はたいてい押さえているんじゃないかと思っています。 上記サイト群の素晴らしさはやはり検索できることです。当たり前のことですがデータベースは検索できてなんぼ。しかし漢字文献はコードやフォントの問題からずっと技術的な困難を抱えて来ました。漢字をどう検索するかというのは今後も問題で在り続けるでしょう(→ CHISE IDS Find というプロジェクトもあります)。それがある程度クリアされてきたのだと思います。だとすると次はその文献画像そのものとの連携ですね。著作権なども絡むので、技術的な問題よりももっと大変だとは思いますが。WEB上のデータベースはこの10年で本当に便利になりました。

水面に夕日が反射してます

子どもとのんびり遊ぶ夕方。この時間帯は光がきれいに入りますね。近所の水路遊びに夕日が反射しています。 2枚目、3枚目はポップカラーのフィルターをかけてます。3枚目は露出開けすぎでしたかね。

Map My Rideによるログ

昨日に書いたエントリについて補足。サイクリングのログはMapMyRideというフリーのAndroidアプリ(→ iMapMyRIDE乗馬サイクリングGPS - Google Play の Android アプリ )を利用している。自動翻訳なのだろう、「乗馬」はおかしい(笑)。しかし機能は個人的には申し分ない。GPSによるマッピング、時間、距離、平均時速、高低差、消費カロリーなどを計算する。アプリで得た情報をPCでチェックできるのもありがたい。以下、ハードコピーを紹介。 Climb Information 山形市(標高120mくらい)から月山の麓の大井沢(標高500mくらい)がゴールだったので登りは覚悟していたが、なまった体にはかなりきつかった。途中歩いたパートもある。しかしMapMyRideのカテゴリでは、5段階のうち下からせいぜい2番め(→ Climb Ratings and Information | MapMyRide )。なお、登り坂の定義はツール・ド・フランスなんかで使われる国際基準に基づき、500mで3%以上の勾配を指すとのこと。 Course Fly by Video きわめつけは、Google Earthと連携した3Dマップからのコースビデオ。速度を上げるとマップの描画がついてこないのがご愛嬌。読み込み、重いですね。 (追記) インラインフレームは重たいしブラウザの動作が不安定になるのでやめました。ご覧になりたい方はこちら(→ 3D Video )。

自転車:山形市→大井沢

にゃはは。山形市から西川町大井沢というところまでサイクリング。往復で118km。ただし月山ふもとまで登っていくわけで、ヒルクライムは地獄の様相だった。山の天気なのでコンディションも曇り空に晴れ間がのぞいたと思えば、氷雨。午前10時ごろ、最低気温3度のなかを進む。 大井沢では温泉で疲労をわずかに回復。 孝庵 さんで山菜鍋そば。 その分、ダウンヒルは平均40km/hで最高に楽しかった。追い風参考、西川から寒河江チェリーランドまでの直線は笑みが溢れるほどのグッド・コンディション。 出発地点の文翔館に戻る。まだ桜が残っているのですよ。 そして軽く反省会。いい旅でした。

弁当翁の本を読む

finalvent『考える生き方 空しさを希望に変えるために』(→ amazon )読了。っつーか、3時間くらいでえいやっと読めてしまったので、読了感も乏しいといえば乏しい。しかしこの本を(著書の中で言われるような)指標とするとはおこがましくて言えないまでも、先人の背中としてぐぐぐっと来るものはずいぶんあった。率直に言って突き刺さった。極東ブログで知られる御大である。学識高いひとは世にそれなりにいるが、学ぶことの豊かさと孤独さを通じて学識の高さを実現しているひとはほとんどいない。もしかしたら、御大の語る挫折がそれをもたらしたのかもしれないけれど。でも私はむしろそれを敬いもするし、それに共感もするのです。 読んでいくうちに一番驚いたのは、四人のお子さんがいらっしゃるということだった。しかも結婚してたんですか(話が逆)!子育ての苦労なども書かれていて、ブログからイメージしていた人生像とあまりにかけ離れていて、でも思い返してみるとそうでなければ書けない慈愛みたいなものがブログにも滲み出ていた気もするので、僕の表面的な印象の理解だったのかもとも思う。ほんとに驚いて、声に出しました。 自分のことで言えば40歳を迎えるにあたって大きな心境の変化を迎えつつある。「そう大して成功することはなかった」ことを了解しながら、残りの時間でどれだけの仕事をするか、といったことです。若い研究者が全能感に裏打ちされたブログを書いていたり、世代が近いひとが人生の勝者にならんとして空転する様を見るのも、なんだか辛いお年ごろなのです。他人事じゃないからな。そういった自意識とどう折り合いをつけて、残りの人生をどう全うするか、ということを考えるのですね。御大の本のタイトルがあまりにクサイので、こういう自分の心境と重ね合わせると周りに心配されること請け合いなのですが、それはタイトルが悪い(笑)。