遠藤浩輝『EDEN』(→ amazon )の最終巻(18)を読んだ。 10巻くらいはついて行って、描写の残酷さと低体温な感じに閉口して読むのをやめてはいたものの、アフタヌーンで最終話が掲載されたという情報を耳にしたあたりから結末を読みたいなという気持ちが高まって、久しぶりに単行本を購入した。近未来的なSFを基調とした主人公の成長譚といった形式を取りつつ、これまた近未来的な多民族社会の到来と、権力の再構成、新たな覇権主義などが細かに作り込まれた世界観が展開される様相は、初期の連載中から今っぽいなあと思っていた。というのも11年前の話。このniji wo mitaが立ち上がる1年前の話だ。 たぶんそこここで言われていることだろうが(検索はしていない)、エヴァンゲリオンを物語としてきちんと作るとこうなるのかなという印象がある。遺伝子工学だの、人類の無意識の融合体コロイドだの、神秘主義を主体としたカルト集団だの、そして父と子。もしかしたらこうしたガジェットはSFとしてはかなり古いのかな。まあ約10年前の今っぽさだものな。個人的には、(ネタバレ注意!)人類が新しい宇宙の誕生を目にするあたりは、理系に憧憬を抱く文系として、相当興奮した。偏頭痛の前兆で視野がゆがんでも、重力レンズ効果?と笑い飛ばせるくらいの気炎の上げ具合。 もっかい購入し直そうかなー。小さな子どもの教育上は、非常に良くないマンガなのですが。
since 1998.8.2, niji wo mita