あのね!ちょっと聞いてくれる?ことばが身体にぴたっと合ったこの興奮をですよ!なので前置きがやや長いけど聞いて下さいほんとマジで。
ワタクシ最近、全然寝られないんすよ。足とか背中とか腕とかがだるくてだるくて、いやなんというかこう疲労が溜まったような、痒いような、そういう感覚に苛まれて寝苦しくて夜中になんべんも起きちゃうんすよ。それで体を伸ばしたりそういう箇所をトントンとグーで叩いたりひねったりしていると、それが雲散するような気がして何とか寝ちゃうといずれまた同じ感覚になって目が覚める。およそ1時間30分周期。90分。90分の授業時間を15回って感じで学外の学修時間も入れて2単位ウォラー!ってまた足とかトントンしてギュギュッとして90分眠ってまた起きて。これって睡眠障害ですよねーとかちょっと思ってた。ただしあれです、お薬のお世話にならないと寝られないというニュアンスのそれではなくて、とにかく体がぬるかゆだるい。これ。だるさとも違うこの感覚。
それで思ったわけです。もし病院行って、このだるさを説明してくださいって言われたら、説明できないなこれ、と。「体を動かしたり叩いたりギュギュっとしないと一時的にでも解消されないこれなんですよ!」とかですかね。「あなた人にものを教えたりする仕事ですよね?」とか逆に質問されて「いや僕が教える世界にはこういう表現ないんで仕事関係ないです」とか逆切れするだろうなあと。
この苦しさをどうにかして欲しいとオクサマにぶつぶつ言ってたら、あんたのお母さんもおんなじでそういうの「スアンスアン」って言いながら足叩いてたよーですと。「これね、この痛み、日本語で表現できないからホント困る、中国語ならスアンっていうのに」言ってたですと。ジャスト。まさにそれ。親子でおんなじ痛み。ほんで、オクサマはしれっと「東洋医学でいう酸痛だよね」とかもいう。ていうかいま「さんつう」って入力したら、google IMEの候補に「酸痛」あったのでまた驚いたよ。そして僕が探していたことばはまさにこれで「酸痛」です。身体の感覚に名前を付けられなくて、苦しさを全然説明できなかったところにぴったりした言葉があったときのこの驚き!エウレーカですかね?いや違うな。そういう風呂から飛び出す系でも荒木飛呂彦系でもなくて、サリバン先生に教わったウォーターが分かったという系の喜びです。名前があったんだ!というかなり新鮮で原初的な喜びなわけです。
ことばが認知世界を作るというおなじみのテーゼと、いや認知世界はことばに先んじてあるというアンチテーゼがあるわけですが、本日は後者に一票。英語には「肩こり」に該当する単語がないのでアメリカ人には肩こりに該当する概念がなくしたがって感覚もない、ということばが認知世界を作る説を確かめるような話があります。いやいやアメリカ人だって肩こりあるよ、そんなん嘘だよという話もあります。でも今日はアメリカ人だって肩こりあるよに一票。該当する単語がなくて説明できなくて苦しんでるよ、に一票です。
gooの中日辞書(→酸痛)によれば、「(肩や腰が)こって痛い」と解説される。でもこれは違う。ニアリーイコール。翻訳不可能性の典型。e-kampoのサイト(→酸痛)では「酸は痛と同義だが、痛みのみでなく、力がなく、しびれて痛いことをいう。疼痛とは異なる」だそうで、これはかなり近い。okwave(→中国語の「酸」 | 外国語のQ&A【OKWave】)にも。だいたいそういう痛みです。良かった、分かってくれる人が中国にいて~。全身全霊で中国語に感謝です。痛みのを日本語で表そうとすると「シクシク痛む」とか「ガンガン痛む」とか日本語母語話者じゃないと理解に到達できないような(あるいは日本語母語話者でも分かり合えてるか不明な)表現するからね。痛みが定義されている言語のありがたみです。
まあ分かったところで寝られないことには代わりはないわけですが、ことばが分かれば解決方法を探すことができるからね。
(追記)
コメント欄にて教えていただいた他ブログエントリ(→2012-10-21 - 東京エスカレーター過去エントリ倉庫)。ここに書かれていることは完璧僕が体験していることと同じやつです。ツイッタでは「言ってることわかんない」というご意見もいただきましたが、日本でも名付けがないままに当惑される方が他にも多数いらっしゃると思われます。
ワタクシ最近、全然寝られないんすよ。足とか背中とか腕とかがだるくてだるくて、いやなんというかこう疲労が溜まったような、痒いような、そういう感覚に苛まれて寝苦しくて夜中になんべんも起きちゃうんすよ。それで体を伸ばしたりそういう箇所をトントンとグーで叩いたりひねったりしていると、それが雲散するような気がして何とか寝ちゃうといずれまた同じ感覚になって目が覚める。およそ1時間30分周期。90分。90分の授業時間を15回って感じで学外の学修時間も入れて2単位ウォラー!ってまた足とかトントンしてギュギュッとして90分眠ってまた起きて。これって睡眠障害ですよねーとかちょっと思ってた。ただしあれです、お薬のお世話にならないと寝られないというニュアンスのそれではなくて、とにかく体がぬるかゆだるい。これ。だるさとも違うこの感覚。
それで思ったわけです。もし病院行って、このだるさを説明してくださいって言われたら、説明できないなこれ、と。「体を動かしたり叩いたりギュギュっとしないと一時的にでも解消されないこれなんですよ!」とかですかね。「あなた人にものを教えたりする仕事ですよね?」とか逆に質問されて「いや僕が教える世界にはこういう表現ないんで仕事関係ないです」とか逆切れするだろうなあと。
この苦しさをどうにかして欲しいとオクサマにぶつぶつ言ってたら、あんたのお母さんもおんなじでそういうの「スアンスアン」って言いながら足叩いてたよーですと。「これね、この痛み、日本語で表現できないからホント困る、中国語ならスアンっていうのに」言ってたですと。ジャスト。まさにそれ。親子でおんなじ痛み。ほんで、オクサマはしれっと「東洋医学でいう酸痛だよね」とかもいう。ていうかいま「さんつう」って入力したら、google IMEの候補に「酸痛」あったのでまた驚いたよ。そして僕が探していたことばはまさにこれで「酸痛」です。身体の感覚に名前を付けられなくて、苦しさを全然説明できなかったところにぴったりした言葉があったときのこの驚き!エウレーカですかね?いや違うな。そういう風呂から飛び出す系でも荒木飛呂彦系でもなくて、サリバン先生に教わったウォーターが分かったという系の喜びです。名前があったんだ!というかなり新鮮で原初的な喜びなわけです。
ことばが認知世界を作るというおなじみのテーゼと、いや認知世界はことばに先んじてあるというアンチテーゼがあるわけですが、本日は後者に一票。英語には「肩こり」に該当する単語がないのでアメリカ人には肩こりに該当する概念がなくしたがって感覚もない、ということばが認知世界を作る説を確かめるような話があります。いやいやアメリカ人だって肩こりあるよ、そんなん嘘だよという話もあります。でも今日はアメリカ人だって肩こりあるよに一票。該当する単語がなくて説明できなくて苦しんでるよ、に一票です。
gooの中日辞書(→酸痛)によれば、「(肩や腰が)こって痛い」と解説される。でもこれは違う。ニアリーイコール。翻訳不可能性の典型。e-kampoのサイト(→酸痛)では「酸は痛と同義だが、痛みのみでなく、力がなく、しびれて痛いことをいう。疼痛とは異なる」だそうで、これはかなり近い。okwave(→中国語の「酸」 | 外国語のQ&A【OKWave】)にも。だいたいそういう痛みです。良かった、分かってくれる人が中国にいて~。全身全霊で中国語に感謝です。痛みのを日本語で表そうとすると「シクシク痛む」とか「ガンガン痛む」とか日本語母語話者じゃないと理解に到達できないような(あるいは日本語母語話者でも分かり合えてるか不明な)表現するからね。痛みが定義されている言語のありがたみです。
まあ分かったところで寝られないことには代わりはないわけですが、ことばが分かれば解決方法を探すことができるからね。
(追記)
コメント欄にて教えていただいた他ブログエントリ(→2012-10-21 - 東京エスカレーター過去エントリ倉庫)。ここに書かれていることは完璧僕が体験していることと同じやつです。ツイッタでは「言ってることわかんない」というご意見もいただきましたが、日本でも名付けがないままに当惑される方が他にも多数いらっしゃると思われます。
コメント
http://d.hatena.ne.jp/tamura38/20121021