酒井充子監督『台湾人生』(→amazon)を見た。すごかったなこれ。思わず、アマゾンに人生初のレビューつけたよ。ちょっとショックを受けるくらい深いところまで切り込んでいるのに、統治時代ノスタルジアみたいなレビューしかないからちょっと出しゃばってみた。

レビューでも書いたけど、この映画のすごいところは、きちんと統治時代を懐かしむ正の気持ちと、統治下に差別もされ、解放後に日本政府に見捨てられもしたことに対する負の気持ちと、両面から光を当てているところだと思う。「懐かしい、悔しい、どちらともつかない気持ち」と映画の最後にインタビューイの一人が語っているところは、これぞポストコロニアルだとしか言えない。国民党政府の戒厳令と弾圧によって、日本の統治時代を人生の中で十分に消化できなかったその声と、日本人という枠組みからしか自己の「台湾人」を語り得ない様子が、フィルムのあちこちから読み取れる。7年の取材だって。おそらく、酒井さんとインタビューイのあいだにきちんと構築された関係性が、この語りを産んだのだろう。労作&名作。
酒井さんへのインタビュー(→『台湾人生』酒井充子監督インタビュー)も合わせて読むといいかな。
そして、親日的な声だけを拾い上げて自己肯定につなげる、日本の一部の無邪気さとも、僕らは向かい合わなければならない。
レビューでも書いたけど、この映画のすごいところは、きちんと統治時代を懐かしむ正の気持ちと、統治下に差別もされ、解放後に日本政府に見捨てられもしたことに対する負の気持ちと、両面から光を当てているところだと思う。「懐かしい、悔しい、どちらともつかない気持ち」と映画の最後にインタビューイの一人が語っているところは、これぞポストコロニアルだとしか言えない。国民党政府の戒厳令と弾圧によって、日本の統治時代を人生の中で十分に消化できなかったその声と、日本人という枠組みからしか自己の「台湾人」を語り得ない様子が、フィルムのあちこちから読み取れる。7年の取材だって。おそらく、酒井さんとインタビューイのあいだにきちんと構築された関係性が、この語りを産んだのだろう。労作&名作。
酒井さんへのインタビュー(→『台湾人生』酒井充子監督インタビュー)も合わせて読むといいかな。
この映画の出演者でも、茶摘みをしている楊さん以外の4人の方は、愛情はあるけど、端々に恨めしい気持や悔しい気持も出てきますよね。台湾には親日的な感情と、そうじゃないものが混じり合っていると思っていただけるといいと思います。台湾の日本語世代の人たちは、日本に捨てられたという思いが強く、日本がもっと台湾に向き合って欲しいと望んでいます。
そして、親日的な声だけを拾い上げて自己肯定につなげる、日本の一部の無邪気さとも、僕らは向かい合わなければならない。
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