Amazon.co.jp: ユリイカ2009年1月号 特集=米原万里: 本をアマゾンでポチっと注文して、積んでおくつもりがむさぼるように読みとおしてしまった。特集といっても追悼特集なので、米原についてみなが語りたい放題である。語りたい放題でも全然みな「語りきれない」と思っているのがよく伝わるエッセイがそろっていて、個人がしのばれる。
『オリガ・モリソヴナの造語法』『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(niji wo mita: 嘘つきアーニャの真っ赤な真実)と、あとどれだったかエッセイを数冊読んだだけなのに、なんというか最後の最後まで信頼できる人だなあと思わされる。ファンであるとか、好きであるとかではなくこう思わされる人って、現実に出会う人も含めて相当少ない。そのことを確認できたのは、佐藤優のエッセイ「米原万里さんの上からの介入」だった。佐藤が例の外務省での背任疑惑で逮捕される直前、報道が先行して騒がれているときに、執拗にレストランでの食事に誘うくだりは浸みるものがあった。
それはそうと、一番の発見だったのは、この人が迫力のある美人だったということ。写真特集「マーリ・イターロヴナ・ヨネハラの写真帖」では幼少時代からの写真がモノクロで紹介される。ロシア語通訳時代の、現在よく知られるアイラインを強調した魔女のようなメイクがバシッと決まっている写真が印象的。橋龍に襲われそうになったというエピソードや、その他の彼女の豪胆さを感じさせるエピソードの数々が、点となって結ばれた気がした。年表と照らし合わせると、30代半ばの、ちょうど切った張ったの大活躍を始める時期。この人のジェンダーネタは読んだことがないが、才能と容姿の武装で刀を振るった経験が、『終生ヒトのオスは飼わず』あたりにつながるのかななどと想像する。
読んでないけどね。読んでないけど語る、ということについては、目下手元にピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』(→amazon)を置いて、時間を作っているところ。この本を読まずに紹介できればネタとしては上なのだろうが。
『オリガ・モリソヴナの造語法』『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(niji wo mita: 嘘つきアーニャの真っ赤な真実)と、あとどれだったかエッセイを数冊読んだだけなのに、なんというか最後の最後まで信頼できる人だなあと思わされる。ファンであるとか、好きであるとかではなくこう思わされる人って、現実に出会う人も含めて相当少ない。そのことを確認できたのは、佐藤優のエッセイ「米原万里さんの上からの介入」だった。佐藤が例の外務省での背任疑惑で逮捕される直前、報道が先行して騒がれているときに、執拗にレストランでの食事に誘うくだりは浸みるものがあった。
それはそうと、一番の発見だったのは、この人が迫力のある美人だったということ。写真特集「マーリ・イターロヴナ・ヨネハラの写真帖」では幼少時代からの写真がモノクロで紹介される。ロシア語通訳時代の、現在よく知られるアイラインを強調した魔女のようなメイクがバシッと決まっている写真が印象的。橋龍に襲われそうになったというエピソードや、その他の彼女の豪胆さを感じさせるエピソードの数々が、点となって結ばれた気がした。年表と照らし合わせると、30代半ばの、ちょうど切った張ったの大活躍を始める時期。この人のジェンダーネタは読んだことがないが、才能と容姿の武装で刀を振るった経験が、『終生ヒトのオスは飼わず』あたりにつながるのかななどと想像する。
読んでないけどね。読んでないけど語る、ということについては、目下手元にピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』(→amazon)を置いて、時間を作っているところ。この本を読まずに紹介できればネタとしては上なのだろうが。
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