「まぶしい」と「うれしい」は似てるね、と3歳の娘が言う。語形上の類似は、品詞のグループの根拠なのだけど、逆の側から発見すれば、似ている不思議となってあらわれる。その、ことばとの出会いを、僕らは忘れている。
留学生から、インタビューに応えて欲しいというメールが来た。「お返事くださければありがたいです!」は、「ください」をイ形容詞の活用に類推した、いわゆる学習者の誤用。添削するのは簡単だけど、僕らも似たような道を歩み来た。その、ことばとの出会いを、僕らは忘れている。
昨年の研究会で聞いた発表に、小学校低学年の児童がやりがちな、鏡文字の話を聞いた(うちの子どももよくやる)。作文用紙の一行目に、「お」が左右逆さまになった鏡文字。次の行に、もう一度鏡文字。その次の行に、「お」の第一画を極端に右から初めている正式な文字。第一画を書いた直後に、鏡文字であることに気づいて、無理やり修正し、自分で正解に至ったプロセスがそこに読み取れる。そのまた次の行に、きちんとした「お」。文字との出会いを、慣れていくまでの道のりを僕らは忘れている。
成長した道のりを、僕らはすっかり忘れている。いまでは当たり前にこなせてしまうから。でもその途中では、たぶん驚きや、不思議に思う気持ちや、苦しい道のりを歩いたはず。正しさの適用、いまだ成長半ばへの叱咤の現場では、僕らは通った道を忘れがちだ。自分を思い出して、寄り添うような歩き方は、教育の現場に身を置く者だけの責務ではない。人事、採用担当の人も、学生を目の前にしたときに、そのことを少しだけでも思い出してほしい。
留学生から、インタビューに応えて欲しいというメールが来た。「お返事くださければありがたいです!」は、「ください」をイ形容詞の活用に類推した、いわゆる学習者の誤用。添削するのは簡単だけど、僕らも似たような道を歩み来た。その、ことばとの出会いを、僕らは忘れている。
昨年の研究会で聞いた発表に、小学校低学年の児童がやりがちな、鏡文字の話を聞いた(うちの子どももよくやる)。作文用紙の一行目に、「お」が左右逆さまになった鏡文字。次の行に、もう一度鏡文字。その次の行に、「お」の第一画を極端に右から初めている正式な文字。第一画を書いた直後に、鏡文字であることに気づいて、無理やり修正し、自分で正解に至ったプロセスがそこに読み取れる。そのまた次の行に、きちんとした「お」。文字との出会いを、慣れていくまでの道のりを僕らは忘れている。
成長した道のりを、僕らはすっかり忘れている。いまでは当たり前にこなせてしまうから。でもその途中では、たぶん驚きや、不思議に思う気持ちや、苦しい道のりを歩いたはず。正しさの適用、いまだ成長半ばへの叱咤の現場では、僕らは通った道を忘れがちだ。自分を思い出して、寄り添うような歩き方は、教育の現場に身を置く者だけの責務ではない。人事、採用担当の人も、学生を目の前にしたときに、そのことを少しだけでも思い出してほしい。
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