マンガ編 今年読んだマンガで印象に残っているものはなんといってもあずまきよひこ『よつばと!』(→ amazon )です。今更です。あらいけいいち『日常』(→ amazon )の系統でしょ、と思っていたら全然違った。ほのぼの日常系の時間表現と子どものリアルな描写に引き込まれて、無時間的な喜びに身を浸しました。12巻のキャンプのくだりとか神と思う。過去3年くらいにさかのぼってのベストマンガかもしれない。生活変えようかと思ったもん(変えられなかったけど)。 朔ユキ蔵『お慕い申し上げます』(→ amazon )も良かった。もともと朔ユキ蔵は清濁併呑修行僧的な作風で、エロの陰にジョージ秋山『アシュラ』が隠れていた。そういう意味では仏教マンガを描くのは時間の問題だったと思う。4巻に及んでサブ主人公の内面が吐露され、これまで以上に目が離せない展開に。『黒髪のヘルガ』(→ amazon )以降、特に好きな作家です。 東村アキコ『かくかくしかじか』(→ amazon )は、東村の高校から大学時代を描こうとするもの。漫画家自伝ものを描くと東村でさえもマジメな語り口になるんですね。既発表作品を彩る過剰にドライブするギャグのなかにいつも対照的に描かれていたナイーブな主人公がどれも東村本人であったことが改めて分かります。だから気に入った。だからいい。(c)岸辺露伴 新井英樹『宮本から君へ』(→ amazon )は学生時代では絶対読めなかった。実際嫌いだったし。それだけ誰かにはっきりと嫌悪されるのは、それだけ表現したいことが伝わっていたからなんだと思う。ライバル会社との営業勝負を描いた前半部、レイプ事件犯タクマとの戦いを描いた後半部と両方読ませた。それにしても90年代にこの作品はないなと改めて思う(笑)。 『愛しのアイリーン』(→ amazon )は農村部の外国人配偶者をめぐるドタバタと、日本社会にやがて訪れることになった少子高齢化の問題を予見的に描いています。ラストの凄まじさは気軽に再読しようという気持ちを強烈に抑えこんでます。 森薫『乙嫁語り』(→ amazon )は描き込む凄さを実現した点でここに掲げます。中央アジアの民俗文様を刺繍に編みこむ話が超絶すごい。絵だけをずっと見ていたいと思うマンガってあまりない。あれを味わうためだけでも漫画読みには一読に値する...
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